脂肪吸引後の圧迫の重要性

脂肪吸引後に皮膚表面がくぼんだり、凹凸ができてしまった、という声をよく聞きます。
今回は患者様からのご質問やご不満の中で多いものの一つ、「脂肪吸引後の皮膚の凹凸」についてお話ししていきたいと思います。

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まず、脂肪吸引による皮膚の凹凸には大きく分けて3つが考えられます。

①脂肪吸引の取りムラがある場合 
②浅い脂肪層をむやみに取り過ぎている場合
③タルミや癒着のズレがある場合 

では一つずつ詳しく説明していきます。

①当然、取りムラがあれば皮膚表面に凹凸が出てしまいます。ただし、浅い部分を吸引し過ぎていなければ、再手術によって若干の改善が見込まれることもあります。

②ギリギリまで脂肪吸引している場合、術前に比べてわずかに皮膚表面の滑らかさがなくなる可能性はあり得ます。しかし、明らかな凹凸が残っている場合は執刀医の技術不足が考えられます。

③意外と知られていないのが、この3番目のタルミや癒着によるものです。脂肪吸引後は皮膚と筋肉層の間に存在する皮下脂肪が少なくなることで、皮膚と筋肉層の近くの組織が新たにくっつく(癒着する)事となります。つまり、皮下脂肪が急になくなった分、余った皮膚がタルミ、新たに癒着する組織がズレて凹凸に見えてしまうのです。

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術後は図の様にスペースが生じます。
術後の圧迫はこのスペースを“いかにきれいに埋めるか”という事が大切です。

理想的な圧迫は、この図の様に皮膚表面の凹凸やズレができることなく、皮膚が真っ直ぐに伸びたきれいな状態です。

しかし、加齢によるタルミがある場合や大量の脂肪が吸引される場合の術後は、この様に皮膚が余剰した状態から圧迫することとなります。
この状態からいかに注意を払って圧迫しても、余剰の皮膚により表面に凹凸が出てしまう場合があります。

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この圧迫が上手くいかない場合は、部分的に皮膚のヨレが集結し、強い食い込みが出来てしまったり、その食い込み部分で皮膚が膨らんで凹凸している様に見えます。

また、タルミが多くても吸引量が少なければ埋める皮膚のスペースも少ないため、食い込みや凹凸はできにくいかと思います。  

つまり、言い換えると癒着やタルミによる凹凸感は、脂肪をしっかりと吸引すればするほどその可能性は高くなります。ですので、タルミによる凹凸を少なくしたい場合は吸引量を減らせばそのリスクは下がるのです。

実際に多くのクリニックでは、タルミによる凹凸などの説明があまりなされておらず、最新の機械を使用する脂肪吸引であれば、タルミは最小限になると説明をして、高額な手術に誘導するケースが数多く見られます。
しかし、脂肪吸引後にタルミが増強したように感じないのであればそれは吸引量が少なかったという裏返しでもあります。

このことから分かるように、タルミや癒着によるズレは、使用する機械によって変わるものではなく、吸引量と術後の圧迫によって左右されるものなのです。

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ここで話を戻します。

前述でご紹介したこちらの図をもう一度ご覧ください。
この様な状態で癒着が完成してしまうと部分的にシワが増えた様に感じてしまい、タルミが増したように感じたり、凹凸に見えてしまうことがあります。

一度、この形で完成してしまった場合は、完全に癒着を剥がすことはなかなか難しいのが現状です。時間の経過とともに、緩和していく可能性はもちろんありますが、完全にタルミや食い込みがなくなるとはいいきれません。

そのため、当院では特に術後の圧迫の重要性をカウンセリング時にお伝えしています。そして、患者様自身にも圧迫には十二分に注意を払い、行って頂く様に指導致しております。

タルミが強かったり脂肪吸引量が多すぎる場合は、完全に凹凸や食い込みを生じさせない様に圧迫する事は難しいかもしれません。ですが、神経質すぎるぐらい、しっかりと圧迫に気をつける事で、100点満点とはいかなくても70点や80点の圧迫が叶います。

ですから、しっかりと脂肪吸引をするクリニックでは、特に圧迫による差が仕上がりに対して、大きなウェイトを占めるでしょう。

この記事が、現在脂肪吸引を検討している方、脂肪吸引後の皮膚の状態について少しでも不安がある方の参考になれば幸いです。